門松の正式な意味と飾り方|あなたの飾り方間違っていませんか?
これから年末年始に向けては正月の準備としていろんなものを用意しなくてはいけませんよね。
門松は正月飾りの中でも花形ともいえるくらい、華やかで目立つ、いわばメインの正月飾りです。これを見ると「正月だなぁ」と改めて感じるものです。
ですが
- どういった意味があって飾るのだろう?
- いつから飾り始めるようになったのだろう?
- どう飾るのが正式なのか?
- いつからいつまで飾るべきか・・・
こういった疑問を持っている方は実は多いのでは?
門松についてあまり詳しく考えるという機会もそうそうないと思います。そこでこの機会に正しい情報を知っておきましょう!
飾る前に知っておきたい!正月に門松を飾る意味とは?
まずはどの様な意味があって飾るのか?というところから見ていきたいと思います。
門松は実は新しい年神様が宿る依代だといわれます。神様は普段は人間が住むこの世界にはいらっしゃいません。正月には人間に幸せをもたらすために、神様がこの世界にやってきてくださるんです。
ですから正月に人間の世界に降臨されるのですが、降臨する際の目印となるものでもあり、その後宿る場所でもあると考えられています。
門松に使われている松は「(神様を)待つ」という意味もある縁起の良い植物です。年神様はこの松を目印に降臨すると考えれば、神様を待つという意味合いも正しいですよね。
逆に考えれば飾っていないと年神様が降臨できず、宿ることもできないということです。そうすると神様からの恩恵や幸せも頂くことができなくなってしまいます。
正月には欠かせない飾りとなっているだけあって、大切な役割が存在しているんですね。
平安時代から飾られていた!?門松の歴史について
どうして飾るのかという意味についてわかったら、次はいつから飾られているのかという歴史について見ていきましょう!
【平安時代】
文献として残っている中で最も古いものを見ると、それは平安時代の終わり頃のものです。平安時代の終わり頃にはもうお正月に門松を飾るという風習が存在していたことは確かです。
ですがこの頃には竹は使わずに松のみを門の左右に飾るという風習で今とちょっと違います。「松」が縁起が良いと言われるようになったのも平安時代の頃からだと言われています。
【室町時代】
室町時代には今と同じ形で正月に飾られていたと言われています。この頃に「竹」が縁起の良い植物であると言われるようになったせいかもしれませんね。
【江戸時代】
この頃に縁起の良い植物の中に「梅」が加わりました。ですから江戸時代には門松にも梅が使われる様になり、今の一般的なものと同じ見た目になりました。
門松にも使われる水引ってどんな意味があるの?日本の行事には何かと「水引」というものが
日本の行事には何かと「水引」というものが登場することが多いですね。正月には特に様々なところで水引をみかける機会があるのではないでしょうか。お屠蘇のお銚子にも「銚子飾り」として使ったりしますよね。
門松にも結んであるのをよく目にしますが、この水引というのは一体何なのでしょうか?
意味合いとしては様々なものがありますが、「結んで結界を張り、穢れがないことを示す」というのが基本的な意味合いです。その他の意味として次のようなものもあります。
- 未開封であることの証明
- 封印
- 魔除け
- 人との縁を結ぶ
神社で頂くお札に使われている場合は封印など、使われるものによってそれぞれの意味が込められていると考えてよいでしょう。
起源としては室町時代にはもう使われていて、それから様々な結び方や色が使われるようになったといわれているんです。門松に結ぶ意味としては、「神様が宿るべき場所が穢れないように」というものなのでしょう。
左右が決まってる?正式な飾り方について
最近では片方だけで販売されていることもありますが、正式には二本で一組とされているのが門松です。正式な飾り方ってご存知でしょうか?折角の縁起物ですから正しい飾り方をしたいものですよね?
まずそれぞれ左右があるということを知っておかなければなりません。
- 黒松が使われている方で「雄松」と呼ばれる
- 樹皮が黒い松で葉が太くて長い
【右に置く】
- 赤松が使われている方で「雌松」と呼ばれる
- 樹皮が赤い松で葉が短くて細い
実は左右で違う松が使われていたんですね!ですが現代では赤松はなかなか使われなくなり、両方とも黒松というものも珍しくありません。
そういった場合には「二番目に長い竹が外側に向くように」並べるのが正式な形です。どっちが右かな?左かな?と迷ったら、よく門松のかたちを観察してみてくださいね。
いつからいつまで飾る?正式な飾るべき時期とは?
飾り方もわかったら、いよいよ実際に飾りましょう!ですが正式にはいつからいつまで飾っておくべきものなのでしょうか?実は門松を飾る期間というのは決まっています。
12月28日までに飾るのがオススメです。29日は「二重苦」に繋がるので避けるべき日ですし、31日は「一夜飾り」言われています。
基本的には松の内の期間中に飾るものですので、1月7日に取り外します。ただし西日本では松の内が1月15日までになるので、地域によって一般的な方を採用してください。
正月の飾りは、なんとなく周りが外し始めたら外す、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はほとんどの正月飾りはこのように飾る期間が決まっているんです。
12月28日から松の内の期間が終わるまで、と覚えておけばいろいろな飾りに対応できますよ!
飾り終わった門松・・・どうやって処分する?
松の内の期間を抜けて、役目が終わった門松。まさか燃えるゴミに出すわけにもいかないですし、その処分方法はどうしたら良いのでしょうか?
一般的に関西の松の内が終了する1月15日前後、各地でどんど焼きというものが行われます。左義長とも呼ばれる場合もありますね。そこで門松やしめ飾りなどの正月飾りは燃やしてもらうことになっています。
どんど焼き自体に一年の健康を願うという有り難い意味がありますので、正月の締めとしても行っておきたいところです。各地の神社で行われるので神社にどんど焼きの日程を問い合わせてみることをお勧めします。
ですがどんど焼きに行くことができない・・・という場合もあると思います。そういった場合にはやっぱり燃えるゴミとして処分するという方法しかありません。
役目を終えた正月飾りは、お塩で清めてから紙に包んで、きちんと感謝の気持ちを込めてからゴミとして処分するようにしましょう。