どんな風にお祝いする?日本のお正月はこう迎えよう!
日本では1月1日から正月が始まります。多くの方が初詣をし、お雑煮やおせちを食べたりテレビを見たりさまざまな過ごし方をするでしょう。
では新年をお祝いするには具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
正月の本来の意味合い
暦の年初めを正月と言いますが、その意味合いは
- 無事に旧年が終わったことを祝う
- 縁起物を飾って行事をとり行ったりおせち料理を食べたりする
といったことにあります。
日本では1月1日が国民の祝日ですが、3日までの三が日を祝日扱いする企業も多いです。基本的に旧暦1月のことで、改暦されてからは新暦1月のことを指します。
また場合によっては三が日や松の内のことを指すこともあります。以前は松の内も15日までを指しましたが、地域によっては7日までを松の内としているところもあります。
歴史を紐解いてみると江戸幕府が旧暦1月7日で飾り納めを指示し、その最初の通達が江戸城蟹町触として発せられ、その風習が広まったことに始まります。
場合によっては1月20日までを指したり、1月20日を骨正月と呼んだりと、日本では様々な形の信念があるのです。
各機関の正月の対応は様々
現在の正月は1月1日を元日として国民の祝日としています。
行政機関では12月29日から1月3日が休日と定められており、一般企業も同じ扱いにしていることも多いですが、金融機関は銀行法によって12月31日から1月3日までを休日としたり、それ以上にしたりすることもあります。
なお公共交通期間中は休日ダイヤの運行となります。
小売業は以前は元日や松の内は休業していましたが、現在は1月1日から営業していることが多いです。これはコンビニエンスストアや生活様式の変化のためと考えられています。
地域の個人経営のお店などは三が日を休んだり1日のみお休みにすることも多く見られます。
正月に忘れたくない日本の習慣
日本の新年は多くの習慣が残っていますが、その一つが年賀状でしょう。
年賀状の販売枚数が減ったというときもありましたが、これは携帯電話の普及に伴うためです。最近はお年玉付き年賀状の内容が豪華になったなどということもあり販売枚数は増えています。
年始の挨拶という習慣も残っており、実家に挨拶に行ったりお世話になっている人への挨拶をしたりさまざまな形でお年始を持って伺います。このとき子供の顔を見せる機会を設ける家庭もあります。
ほかの習慣としては初詣や一般参賀があります。初詣は昔は氏神様の所へお参りするのが一般的でしたが、交通網が発達すると自分が行きたい神社仏閣へ行ってお参りする人が増えました。
日本で最も参拝客が多いのは明治神宮とされており、ほかに川崎大師や稲荷神社などが人気です。
日本の正月の歴史
日本の正月の歴史を見ると、昔は半年ごとに先祖を祀ると言う意味合いがありました。
これは夏のお盆も含まれていたのですが、日本に仏教の色が濃くなってくると仏教では正月に孟蘭盆会という風習があるため次第に正月は神祭りとされてきたのです。
そのため先祖を供養するのではなく、氏神様に豊作を祈るという習慣が生まれました。
また年齢も1月1日を持って重ねる風習がありました。生まれた年を1歳としていたため、数え年と呼ばれていましたが、現在は生まれた年を0歳とし、誕生日を迎えて1歳となり、満年齢で表されるようになりました。
なお旧年に不幸が合った場合は喪に服すということから正月のお祝いはしない風習が今も残っています。
旧年の10月から11月頃に喪中はがきを送り、新年のあいさつを控えるのが習わしですが、おせちやお雑煮、初詣はしている人が多いようです。
世界各地の正月の歴史
日本では天保歴1月1日を旧正月と呼びます。現在はグレゴリオ暦が採用されていますので、新暦の2月頃にあたり、立春前後になります。
今ではあまり気にすることはありませんが、中国や台湾、ベトナムや韓国では旧暦を重要視することが多く、お年玉もこの時期にもらうことになります。
また沖縄や鹿児島県奄美群島などでは旧暦に従ってお祝いする地域があります。
海外の正月を見てみると日本との違いがよく分かります。中国は太陰暦の1月、古代ローマは1年が10カ月だったためMarchを初月とし、1stMarchと表記していました。
しかし紀元前713年ころに2か月プラスされ、Januaryが1月と変わり、新年に採用されたのは紀元前45年ころとされています。
なおヴェネツイア共和国は1797年まで、ロシアでは988年から15世紀末までローマ暦が採用されていました。キリスト教圏ではクリスマス様式を使っていた歴史があります。
ドイツやイングランドは13世紀まで、スペインでは14〜16世紀まで12月25日を正月としていました。ほかにもフランス共和国では1793年から1805年までは秋分が新年となるなど様々な歴史があります。
世界中を見てみると、お正月は日本との違いも見られ、面白い発見もあるものです。
最も古い年中行事、正月
ちなみに正月は日本で最も古い年中行事に該当します。起源はよく分かっていませんが、仏教伝来の6世紀半ばには既にありました。
ただし門松や注連縄、鏡餅を飾るなど現在の形になったのは江戸時代に庶民に浸透し始めてからです。
また日本は正月を春の始まり年、めでたいを芽出度いと表していました。あけましておめでとうございますも、年神様を迎えるために祝う言葉だったのです。
昔から八百万の神といい、すべてのものには命があると言う信仰がありました。そのため人が死んで一定期間が経つと祖霊となって春には田の神になり、秋が終わると山の神になり、正月には歳神となると信じられていたのです。
子孫繁栄を見守ってくれることに感謝し、その年の豊作を祈り、家族の健康を祈願する、それがもともとの日本の正月だったと言えるでしょう。
年末の大掃除を終え、門松などの飾りを出し、除夜の鐘や年越しそばなどで年越しをし、年が明けたら新年のあいさつを交わします。
おせちを食べたりお雑煮を食べたり、お屠蘇を飲んだり若水を飲んだり、年賀状で挨拶をしたりするのも風習です。
歳神様の魂を宿した餅玉を子どもたちに家長が分け与えることから始まったお年玉を上げるのも今ではすっかり習慣となりました。
初詣や書初めなどの行事などがある日本のお正月を、歴史や文化などを知ることで来年はより感慨深く迎えてみませんか。きっといつもと違った見方ができますよ。